省エネルギー対策等級4

参考

省エネルギー性に関する基準

 

1 省エネルギー対策等級4

「住宅の品質確保の促進等に関する法律」第3条第1項に基づく「評価方法基準」第5-1「省エネルギー対策等級」の等級4の基準に適合する必要があります。この「評価方法基準」の等級4の基準では、居住空間を断熱材で包み込むことにより、従来よりも高い水準の断熱性を実現するものです。

○ 「評価方法基準」の等級4の基準は、「熱損失係数等による基準」若しくは「年間暖冷房負荷の基準」(この2つの基準は「住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する建築主等及び特定建築物の所有者の判断の基準」(平成18年経済産業省・国土交通省告示第3号で「建築主の判断基準」と略称されます)に定められています。)又は「熱貫流率等による基準」(この基準は「住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する設計、施工及び維持保全の指針」(平成18年国土交通省告示第378号で「設計・施工指針」と略称されます。)に定められています。)のいずれかの基準によることができますが、熱貫流率等による基準」によるのが簡便なので、ここでは「熱貫流率等による基準」をご紹介します。

 

2 熱貫流率等による基準

 

⑴ 断熱構造とする部分

屋根又はその直下の天井、外気に接する天井、壁、床及び開口部並びに外周が外気等に接する土間床等について、断熱、日射遮蔽及び結露防止の措置を講じます。

ただし、次の①~⑤のいずれかに該当するもの又はこれらに類するものについては、この限りではありません。 

    居室に面する部分が断熱構造となっている物置、車庫等の居室に面しない部分

    外気に通じる床裏、小屋裏または天井裏に接する壁

    断熱構造となっている外壁から突き出した軒、袖壁、ベランダその他これらに類するもの

    玄関・勝手口及びこれに類する部分における土間床部分(4㎡程度まで)

    断熱構造となっている浴室下部における土間床部分

よくあるご質問

質問

バスユニット下部に断熱施工をする場合、断熱材の厚さに関する規定はありますか。

回答

熱抵抗値などの断熱性能に関する具体的な数値規定はありません。ただし、浴槽及び洗い場下部にウレタン吹付けや発泡プラスチック系断熱材成型板などで断熱されている必要があります。また、ユニットバスと周壁の隙間から床下空気が侵入しないよう、気流止めなどを設置することが重要です。

 

 

⑵ 躯体の断熱性能等

各部位の断熱材の熱抵抗が、住宅の種類、断熱材の施工法及び地域区分に応じ、次の表に掲げる基準値以上であることが必要です。ただし、次の表では、住宅の種類については在来木造住宅及び枠組壁工法、地域区分についてはⅣ地域(神奈川県内はすべてⅣ地域ですので、以下地域区分によって基準値等が異なる場合については、すべてⅣ地域の基準値等で示します。)を示してあります。

 

断熱材の施工法

 

部  位

断熱材の熱抵抗の基準値

(単位:㎡・K/W)

在来木造

枠組壁工法

充填断熱工法

屋根又は天井

屋根

4.6

4.6

天井

4.0

4.0

2.2

2.3

外気に接する部分

3.3

3.1

その他の部分

2.2

2.0

土間床等の外周部

外気に接する部分

1.7

1.7

その他の部分

0.5

0.5

外張断熱工法又は内張断熱工法

屋根又は天井

4.0

4.0

1.7

1.7

外気に接する部分

2.5

2.5

その他の部分

--

土間床等の外周部

外気に接する部分

1.7

1.7

その他の部分

0.5

0.5

 

○ 上表の断熱材の熱抵抗値(R)は、使用する断熱材の熱伝導率(λ)と断熱材の厚さ(d)から、次の式により求めることができます。

R(㎡・K/W)= d(m)/ λ(W/m・K)

つまり、使用する断熱材の熱伝導率が判れば、熱抵抗の基準値に適合する断熱材の厚さを次の式から求めます。

d = R × λ

例えば、高性能グラスウール16Kを天井に充填断熱工法で使用しようとすれば、高性能グラスウール16Kの熱伝導率は、0.038ですから、必要な断熱材の厚さは、

4.0(天井の熱抵抗の基準値)× 0.038 = 0.152 (m)となります。

○ 住宅金融支援機構監修の「木造住宅工事仕様書」及び「枠組壁工法住宅工事仕様書」(※1)には、断熱材の必要厚さの早見表(下の表は、在来木造住宅と枠組壁工法のいずれも充填断熱工法の場合の早見表を掲載しています。)が掲載されていますので便利ですが、この早見表では、熱伝導率の最大値を用いて算出した厚さを5㎜単位で切り上げていますので、断熱材の必要厚さが大きめに算出されます。

また、両仕様書の付録(※2)には、「熱抵抗の値を得るための断熱材の厚さ」の早見表が掲載されており、この早見表では上の式で計算した数値に近い数値が掲載されています。

(※1)住宅金融支援機構監修「木造住宅工事仕様書」(平成22年改訂全国版、以下「木造住宅工事仕様書」といいます。)及び「枠組壁工法住宅工事仕様書」(平成22年改訂全国版)

(※2)木造住宅工事仕様書の付録11P237)、枠組壁工法住宅工事仕様書の付録9(P202

 

在来木造住宅の部位別の断熱材必要厚さ(Ⅲ―13.3)(※3)

充填断熱工法

必要な熱抵抗値

断熱材の種類(※4)・厚さ(単位:㎜)

A-1

A-2

屋根又は天井

屋根

4.6

240

230

210

185

160

130

105

天井

4.0

210

200

180

160

140

115

90

2.2

115

110

100

90

75

65

50

外気に接する部分

3.3

175

165

150

135

115

95

75

その他の部分

2.2

115

110

100

90

75

65

50

土間床等の外周部

外気に接する部分

1.7

90

85

80

70

60

50

40

その他の部分

0.5

30

25

25

20

20

15

15

枠組壁工法の部位別の断熱材必要厚さ(Ⅲ―13.3)(※3)

充填断熱工法

必要な熱抵抗値

断熱材の種類(※4)・厚さ(単位:㎜)

A-1

A-2

屋根又は天井

屋根

4.6

240

230

210

185

160

130

105

天井

4.0

210

200

180

160

140

115

90

2.3

120

115

105

95

80

65

55

外気に接する部分

3.1

165

155

140

125

110

90

70

その他の部分

2.0

105

100

 90

80

70

60

45

土間床等の外周部

外気に接する部分

1.7

90

85

80

70

60

50

40

その他の部分

0.5

30

25

25

20

20

15

15

(※3)両仕様書の仕様項目の番号を示します。以下同じ。

(※4)断熱材の種類は木造住宅工事仕様書のⅡ―73.2P57)、枠組壁工法住宅工事仕様書のⅡ―9.32P88)に示されています。

 

 

⑶ 断熱材の厚さ・熱抵抗値の特例

○ ある部位の熱抵抗値(断熱材の厚さ)を基準値より割り増すことにより、他の部位の熱抵抗値(断熱材の厚さ)を基準値より減じることが特例で認められる場合があります。ある部位で意匠上の都合でどうしても必要な断熱材の厚さを確保できない場合などによく適用されます。

○ この特例を適用する場合には、「木造住宅工事仕様書」に、下に示すように具体的な方法が記載されていますので、該当する□欄にレ点を付してください。また、「枠組壁工法住宅工事仕様書」でも、4を除き同様の方法が記載されています。

Ⅲ―1.3.4

1つの部位で断熱材の厚さ又は熱抵抗値を減ずる場合には、以下の方法により行うものとする。ただし、1から3の項目は、いずれか1つのみ適用することができるものとする。

1 Ⅲ~Ⅴの地域において、外壁の一部で熱抵抗値を減ずる場合は、次のイ又はロのいずれかの方法で当該部分で減じた熱抵抗値を補完するものとする。ただし、減じることができる熱抵抗値は当該部分の基準値の1/2を上限とする。

□イ 他の外壁で補完する場合は、減じた熱抵抗値の1/2以上を、当該部分を除く外壁の断熱材の熱抵抗値に付加する。ただし、熱抵抗値を減ずる部分の面積は、開口部を除く外壁面積の11%以下とする。

□ロ 開口部で補完する場合は、以下のいずれかによる。ただし、熱抵抗値を減ずる部分の面積は、開口部を除く外壁面積の30%以下とする。

□(イ)すべての開口部の建具を、地域区分に応じ、次の表のとおりとする。

表では、「本章17.1の2による」とされるが、本章17.1の2では開口部建具の種類のⅣ地域より1ランク厳しいⅢ地域の基準となる。

□(ロ)すべての開口部の熱貫流率を、3.49以下とする。

 

2 Ⅳ及びⅤ地域において、玄関ドア等を除く開口部の熱貫流率を2.33以下とした場合は、本章1.33(断熱材の厚さ)における壁の断熱材の熱抵抗値を0.6以上とする。

 

3 屋根又は天井で熱抵抗値を減ずる場合は、地域区分に応じ、次のイ又はロのいずれかの方法で当該部分で減じた熱抵抗値を補完するものとする。ただし、減じることができる熱抵抗値は当該部分の基準値の1/2を上限とする。

 

□イ 外壁で補完する場合は、減じた熱抵抗値の0.3倍以上の外壁の断熱材の熱抵抗値に付加する。

□ロ 開口部で補完する場合は、以下のいずれかによる。

□(イ)すべての開口部の建具を、地域区分に応じ、次の表のとおりとする。

□(ロ)すべての開口部の熱貫流率を、4.07以下とする。

 

4 充填断熱工法の床の根太間隔を450㎜以上とし、床に用いる断熱材の熱抵抗値を基準値の0.9倍とする。

この特例は木造住宅工事のみに適用されます。

 

5 一戸建住宅にあっては、床の「外気に接する部分」のうち、住宅の床面積の合計の5%以下の部分については、本章13.3(断熱材の厚さ)における早見表において「その他の部分」とみなすことができる。

 

開口部の断熱性能に関する基準

開口部の熱貫流率を4.65(W/㎡・K)以下(Ⅳ地域の場合)とするか、建具等の基準を満たす仕様とすることとします。この建具等の基準に適合する代表的なガラスの組合せ例については、「木造住宅工事仕様書」及び「枠組壁工法住宅工事仕様書」に、次のように定められているので、該当する□欄にレ点を付してください。

Ⅲ―17.1

3 Ⅳ又はⅤ地域における開口部は次による。

イ 窓又は引戸はガラス単板入り建具の二重構造とする。

ロ 窓、引戸又は框ドアは次のいずれかとする。

□(イ)ガラス単板2枚(中間空気層12㎜以上)入り建具

□(ロ)複層ガラス(空気層6㎜以上)入り建具

□(ハ)ガラス入り建具で、ガラス中央部の熱貫流率が4.00以下のものとする。

ハ ドアは次のいずれかとする。

□(イ)扉がフラッシュ構造の建具であるもの。ただし、ガラス部分を有するものにあっては、ガラス部分をガラス単板2枚使用(中間空気層12㎜以上)、複層ガラス(空気層6㎜以上)又はガラス中央部の熱貫流率が4.00以下のもののいずれかとする。

□(ロ)扉が木製の建具であるもの。ただし、ガラス部分を有するものにあっては、ガラス部分をガラス単板2枚使用(中間空気層12㎜以上)、複層ガラス(空気層6㎜以上)又はガラス中央部の熱貫流率が4.00以下のもののいずれかとする。

□(ハ)扉が金属製熱遮断構造パネルの建具であるもの。ただし、ガラス部分を有するものにあっては、ガラス部分をガラス単板2枚使用(中間空気層12㎜以上)、複層ガラス(空気層6㎜以上)又はガラス中央部の熱貫流率が4.00以下のもののいずれかとする。

 

4 (略)

 

5 窓の合計面積が住宅の床面積の2%以下となるものについては、上記1から4によらず施工することができる。

 

日射遮蔽性能に関する基準

窓の夏期日射侵入率を面積加重平均した値は、窓が面する方位及び地域区分に応じて基準値が定められていますが、Ⅳ地域においては、次の表に掲げる基準値以下とします。

窓が面する方位

真北±30°の方位

左記以外の方位

日射遮蔽性能に関する基準値

0.55

0.45

あるいは、窓が面する方位及び地域区分に応じて定められた建具の種類、付属部材(レースカーテン等)、ひさし、軒等の基準に適合させることとします。この基準は、「木造住宅工事仕様書」及び「枠組壁工法住宅工事仕様書」に、次のように定められているので、該当する□欄にレ点を付してください。

Ⅲ―1.83

1 窓の面する方位が、真北±30°の開口部は日射侵入防止措置を講じた次のいずれかとする。

□イ ガラスの日射侵入率が0.60以下であるもの

□ロ 付属部材を設けるもの

 

2 1以外の方位における開口部は日射侵入防止措置を講じた次のいずれかとする。

□イ ガラスの日射侵入率が0.49以下であるもの

□ロ ガラスの日射侵入率が0.66未満のものに、付属部材又はひさし、軒等を設けるもの

□ハ 内付けブラインド又はこれと同等以上の遮蔽性能を有する付属部材を設けるもの

□ニ 付属部材及びひさし、軒等を設けるもの

 

Ⅲ―18.4

窓の合計面積が、住宅の床面積の4%以下となるものについては、(中略)本章1.83(Ⅳ又はⅤ地域における日射侵入防止措置)によらず施工することができる。

 

 

よくあるご質問

質問

真北±30°の方位に面する窓とは、どのように測るのですか。

回答

室内側から外気側を見て、当該窓の外壁面と直角となる中心線の向きが真北±30°の方位に含まれるか否かで判断します。

 

よくあるご質問

質問

付属部材とはどのようなものですか。

回答

レースカーテン、内付けブラインド(窓の直近内側に設置されるベネシャンブラインド又はこれと同等以上の遮蔽性能を有するものをいう。)、紙障子、外付けブラインド(窓の直近外側に設置され、金属製スラット等の可変により日射調整機能を有するブラインド又はこれと同等以上の遮蔽性能を有するオーニング(テント生地等で構成される日除けで開閉機能を有するものをいう。)若しくはサンシェード(窓全面を覆う網状面材の日除けをいう。)その他日射の浸入を防止するため開口部に取り付けるものをいう。

 

よくあるご質問

質問

ひさし、軒等とはどのようなものをいうのですか。

回答

オーバーハング型日除けで、東南から南を経て南西までの方位に設置され、外壁からの出寸法がその下端から窓下端までの高さ寸法の0.3倍以上のものをいう。

 

 

 

3 結露の発生を防止する対策

 

防湿層の設置

○ グラスウール等の繊維系断熱材等の透湿抵抗の小さい断熱材を使用する場合にあっては、断熱層の室内側に防湿層を設置します。ただし、以下の①~④のいずれかに該当する場合は除きます。

①Ⅵ地域である場合(神奈川県内は該当しません。)

②コンクリート躯体又は土塗り壁の外側に断熱層がある場合

③床断熱において、断熱材下側が床下に露出する場合又は湿気の排出を妨げない構成となっている場合

④断熱層が単一の材料で均質に施工される場合で、次式の値(T)が地域区分に応じて、次表の値(Ⅳ地域の場合2(屋根又は天井の場合にあっては3))以上となる場合

 

断熱層の外気側表面より室内側に施工される材料の透湿抵抗の合計値

T = ―――――――――――――――――――――――――――――――――

断熱層の外気側表面より外気側に施工される材料の透湿抵抗の合計値

 

○ 防湿層の施工について、「木造住宅工事仕様書」及び「枠組壁工法住宅工事仕様書」の両仕様書では、上記④を除き、いずれもⅡ章の該当項目によるとされています。

 

通気層の設置

○ 屋根又は外壁を断熱構造とする場合にあっては、断熱層の外気側へ通気層を設けます。ただし、以下の①~④のいずれかに該当する場合は除きます。

①当該部位が鉄筋コンクリート造等であるなど躯体の耐久性能を損なうおそれのない場合

②防湿層が0.082㎡sPang(170hmmgg)以上の透湿抵抗を有する場合

③断熱層の外気側に軽量気泡コンクリート又はこれと同等以上の断熱性及び吸湿性を有する材料を用いる場合で、防湿層が0.019㎡sPang(40hmmgg)以上の透湿抵抗を有する場合

④上記の①又は④に該当する場合